もう下半身が限界の状態でChampex-Lacに到着
サポートの相方と合流すると、相方からサプライズの差し入れが
Chamonixにある日本食レストラン「satuki」のオニギリとインスタントだが味噌汁が
やっぱり日本食は美味い
眠気覚ましのコーヒーも頂き少しリフレッシュしてエイドを出発
シャンペ湖で写真を撮っていたらニューハレの芥田さんが写真を撮ってくれた
さ〜ここからが後半の山場の2000m級3連チャンに挑む
前半の2500m級3連チャンに比べれば傾斜も幾分楽だが足は重く思うように前に進まない
長い上り坂、結構上ったと思って上を見上げればまだまだランナーの列は伸びている
時折聞こえるカウベルに癒され、牛達と交流を深めながら一歩一歩歩く
最初の山のピークを過ぎた所で2晩目に突入
ここでトラブル発生!
あるはずのヘッドライトがない!!
思考回路が低下した頭をフル回転して対処策を考える
もしもの時用に相方にヘッドライトの予備を預けていたことを思い出す
でも手に入れるには次のエイドのTrientに行かなければならない、Trientまではまだ90分近くかかる
そこでiPhoneのカメラのフラッシュをライト替わりにすることができるアプリがあるのでその機能を使って山を下る
ヘッドライトに比べ暗いが下れないこともない、周りのランナーにばれないように列の後ろをコッソリとついて行く
無事にTrientまで着き、相方と合流し予備のヘッドライトを手に入れる
もうこれだけ悪運が強ければ完走は出来るだろうと吹っ切れる
Trientを出れば直ぐに二つ目の山へ
一つ目の山よりキツく、直ぐに心が折れそうになるが足だけは止まらないように動かし続ける
ピークを越えて遂にフランスに戻ってきた
Vallorcineに向う下り坂は傾斜は緩く本来なら楽に下れるんだろうが限界の下半身では上がらない足と痛みで歩くのも精一杯
Vallorcineで最後の補給を済ませ、次はいよいよゴールのChamnixに向う
Vallorcineを出てしばらく線路と平行に進み、いよいよ最後の峠Col des Montesへ
最後も難関、長くキツイ上り坂に岩が大きいうえにそこらじゅうに沢山で歩くのも困難
ピークに近づくにつれ数は増えるばかりで、ピーク付近は「ここは本当に地球?!」と思うほどの岩のオンパレード
そして遂にピークを越えると目の前には4年間待ち望んだ光景が拡がる
4年前NHKで放送された「激走 モンブラン」で2位になったセバスチャンが青空の下Col des Montetsから眼下にChamonixの街が映った瞬間にこの挑戦をしようと心に誓った
足掛け4年、遂に念願の光景が目の前に
(残念ながら青空の下とはいかなかったが)
さ〜後は長い下り坂を下ればゴールのChamonix
しかし下半身は限界を越えたようで腰にまで痛みが走る
走るどころか歩くのもままならない、それでもChamonixの灯りを希望に下る
最後のエイド手前でフランス?の女子選手がコースの脇で座り込んでいる
一緒に下っていたフランス人達が「先に見える光がエイドだからそこまで行こう」と促すが、メンタルが折れた彼女は進むのを頑なに拒む
メンタルが折れるといくらフィジカルが強くても一歩も歩くことができないのは超長距離ではよくあること
説得はほどほどに列は再びゴールを目指し進みだす
最後のエイド手前で3度目の睡魔が遅い一秒でも早くベッドで眠りたかったのでスルー
上がらない足で小さい石にも何度もつまづきかけ、睡魔で足下はフラフラ、痛みは下半身に加え腰まで、メンタルが折れないように必死でこらえる
林道だった道が遂に舗装路に替わる
ゴールまであと700mほど
舗装路に変わったらビックリするぐらい痛みが消え遅いながらでも走れる
そのままの勢いでゴールへ
AM5:00過ぎ、人々が眠ってまばらな観客の待つゴールゲートくぐる
長い期間待ち続けた夢は長い時間を費やして終わりを告げた
36時間46分18秒
長くもあり、振り返ればあっという間、苦しくもあり本当に楽しかった旅でした。